冷え対策の新定番は「ココア」?

今年の冬は、ここ数年感じたことがないくらいに寒いですね。face07
当院でも、冷え改善についての相談が増えています。

これまで、冷え対策の定番は『ショウガ』でしたが、つい先日、ショウガよりも『ココア』のほうが冷え対策効果が高いことが、森永製菓の実験によって明らかになりました。face02

23~24℃の部屋の中で、ショウガを摂取した場合とココアを摂取した場合に、時間経過と共に手の甲表面温度を測定するという実験です。

その結果、摂取後から10分まではココアよりショウガのほうが温度を上昇させるものの、15分後以降は摂取前よりも急激に冷えてしまうのに対して、ココアは15分後以降も冷えるのを抑え、60分経ってもあまり冷えないことがわかりました。

つまり、ショウガは即効性はあるものの直ぐ冷えてしまうのに対して、ココアは持続性に優れているというわけです。

その原因は、温まる仕組みにあります。
ショウガは、その成分である“ジンゲロール”が、自律神経の交感神経を刺激することによって、一種の興奮状態になることで急速に身体が温まるものの、直ぐに冷めてしまうようです。(交感神経が高まると末梢血管が収縮するので、かえって冷えることになる)face07

それに対して、ココアの成分である“テオブロミン”は、指先などの抹消血管を拡張して血流をよくする効果があるため、即効性はショウガに負けるものの、持続力に優れているというわけです。face02

多分、これからしばらくは、健康雑誌や女性雑誌などで、『これからの冷え対策の定番はココア!』などという記事が増えるのではないかと思います。

但し、この実験結果を鵜呑みにしてはいけません。
「ここまで書いておいて何を言い出すのか?」と思うでしょうが、ショウガにはもう一つの冷え改善成分があるのです。
それは、“ショウガオール”です。

ショウガは、生のままだとジンゲロールが多いのですが、しっかり加熱すると、ジンゲロールがショウガオールに変化します。
そして、ショウガオールは、ココアと同様に血管を拡張させて血流を良くする働きがあります。

森永製菓の実験は、ジンゲロールのほうが多いショウガで行なっているため、ショウガオールのほうが多いショウガで比較すれば、違った結果が出た可能性があるわけです。

いずれにしても、ココアに「持続性のある冷え改善効果」があることは確かなようなので、おやすみ前や出かける前にココアを飲むのはいいですし、冷え対策のためにショウガを摂るなら必ずよく加熱したショウガを摂るようにしましょう。icon22
  


Posted by ホロスの院長. at 2012年01月31日22:17